Quantcast
Channel: スポーツナビ+ タグ:則本昴大
Viewing all articles
Browse latest Browse all 15

ドラフト指名者たちをレッツ・ネガティブシンキング!2014

$
0
0
一昨年、昨年と新しく入ってくる選手達にあえて期待度を下げておいて、その新人が活躍した時に喜びを倍増しましょう、という記事を書いていました↓ [ドラフト指名者たちをレッツ・ネガティブシンキング!] [ドラフト指名者たちをレッツ・ネガティブシンキング!②] [ドラフト指名者たちをレッツ・ネガティブシンキング!2013] 大まかに説明すると、ドラフト指名者を初めからネガティブに後ろ向きに見て活躍を全く期待しないでおけば、仮に一軍で結果を残せなくても精神的ダメージは少なくすみ、かつこの見方が全く見当違いで選手は初めから大活躍!ならば期待していなかった分喜びも倍増するでしょ♪…というどっちに転んでもよい企画でして、というわけで今年もドラフト指名者が次々と仮契約を結んでいってどの選手達にも希望をかけたくなるこの時期にあえてしましょう、レッツ・ネガティブ・シンキング!(←昨年度このセリフいいながらペルソナ5早く出せとかのたまっておりましたが、めでたく来年発売予定とあいなりました)加藤匠馬(青山学院大→中日ドラフト5位)地肩の強さ・コントロール・素早いスローイングが高いレベルで揃っている稀代の強肩キャッチャー加藤匠馬。彼は中学生まで投手で、そこから来ているのか捕手で定着した三重高時代より名高かったその肩力について、中日の中田スカウト部長が「プロ野球界でもトップレベル」と大絶賛し、彼を視察した落合GMも「何だ、この肩は」と驚愕したという話が報道されております。私もその見方に全く異論はありませんし、この評判だけでも相手に盗塁をけん制させる大きな武器となるでしょう。肩はこのように素晴らしいのですが…ここからは私が青学大のある試合を観戦した時の話ですが、ピッチャーがボールに指がかかりすぎでもしたのか、ホームベースよりず~と手前の地面に叩きつけるような投球をしてしまったんですよ。おいおい~(苦笑)…などと思った直後、いえ、ほぼ同時でしょうか私は凍りつきました。打席の加藤匠馬が空振りしている!?加藤匠についてその強肩は誰もが評価するポイントであり、彼がドラフト指名を受けた最大の理由と言っても過言ではありません。ですが、あまりにも彼について言及されるのが肩のことばかりで、他の面、例えば打撃とかはどうなんだろう?と疑問に思われた方も中にはおられるでしょう。そしてそのような方々も薄々勘付いてはいるでしょうが、言及されない→語るほどの打力が無いということなのです。彼は大学時代を通して打率一割台のバッターです。一割ということはたまには打つ、ということでもあり事実彼のバッティングで青学大が勝てた試合も見たことがあります。ありますが…大学生ピッチャー相手にこの程度では、プロではより低い打力を覚悟すべきでしょう。キャッチャーは守ってナンボや!打たんでもエエ!!とか思っている方でも、年間100試合以上出れば打率2割前後・ホームラン1本ぐらいはさすがに打つだろうと心のどこかで考えていませんか?その期待値は更に下方修正すべきです。攻守ともに頼れるキャッチャー、という期待はしないでおきましょう。田中大輝(國學院大→讀賣ドラフト4位)大学時代の実績が少なく、体格は悪くは無いのですが大型選手の集まるプロにおいては平凡で、また左腕とはいえほとんど常時130km台程度の球速(最速ならば144kmらしいですが、私は残念ながら見たことありません)。なにより現在、左肩の怪我からの復帰中と、田中大輝に対して地味なドラフト指名選手だと感じている方もおられるかもしれません。ですが彼は柔らかい肘に力みのない投球フォームのおかげか、球数&長いイニングを投げても恒常性を保てる優れた安定力に、巧みな緩急に加え走者を出してからの粘りもありと、それほど球威に頼らなくともよいスタイルであり怪我さえなければ安定して結果を望めるピッチャーです。私は彼より上位で指名された戸根千明の投球も見たことがあり、戸根は上位指名にふさわしい好投手ではありますが、スケール的には田中の方が上。指名順位が下になったのはひとえに怪我のせいであり、将来的にプロ一軍での先発ローテ入りとて怪我さえなければ可能な素質の持ち主です。大学時代の実績・出場機会が少ないことについては、大学では基礎の強化を優先されたことや、肘などの怪我のせいであり、逆に試合に出ずじっくり鍛えられたおかげでメンタル面やけん制・フィールディングなどの細かな点での上達が認められることを考えると、怪我のことを除けばむしろ酷使されずにすんだと前向きに捉えることだってできます。それにその肘などの怪我から復帰した瞬間に彼は日本代表ピッチャー。日本代表選考会のときに知名度や実績ではるかに彼より優れていた多数の選手達を押しのけて大学日本代表に選出されております(ぐっちょんでええの? 2014年大学日本代表選考結果参照)ので、大学時代の実績はそれだけでもう充分とも言えますしね。その代表から帰ってきた後で、今度は現在まで尾を引いている左肩の怪我が発覚したわけですが。…怪我をせずいつでもマウンドに上がってくれる投手、という期待はしないでおきましょう。風張蓮(東京農業大北海道オホーツク→東京ヤクルトドラフト2位)九戸中学時代に最速138km、伊保内高時代は最速147kmと、屈指のポテンシャルを誇る投手として地元岩手県では名を知られる存在で東京農大北海道オホーツク進学直後は伸び悩みに苦しみながら最終的には最速152kmの豪腕にまで成長を見せて見事、ドラフト上位指名を勝ち取った風張蓮。彼がドラフト指名された丁度翌月、神宮球場での明治神宮大会で大学最後の彼の登板があったので彼のピッチングを見に行かれたプロ野球ファンの方もおられるかもしれません。そしてそのマウンドでは150kmどころか140km後半台も出せず更に先発1イニングであっさり降板…拍子抜けしたことでしょう。報道では彼の怪我も伝えられており、不安に思っている方も多いことでしょう。ですがご安心ください!これは神宮でのいつもの彼です。神宮において彼は例え健康であっても今回の様な結果に終わっています!!(暴)彼の所属する東京農大北海道オホーツクは地元北海道の大学野球界では屈指の強豪で、そのおかげで風張も全日本大学野球選手権及び明治神宮大会と、大学野球の聖地・明治神宮球場のマウンドに立てた機会が比較的多いピッチャーでした。ですがその度に彼は地元・北海道リーグ戦での圧倒的なピッチングが影を潜め、不満足なピッチングに終始しているのです。具体的な数字を上げると大学野球選手権において彼は3試合登板し、通算で4イニング・5自責点で1試合の登板で3イニングもったのが最長です(そのときは3自責点)。短い投球数の間に制球が乱れてストライクを簡単に取りに行ったところを狙われて失点しマウンドを降ろされるパターンがほとんどな感じです。どうも彼は神宮球場のマウンドとの相性が悪いみたいで…と、いうわけで神宮球場でのナイスピッチングは期待しないでおきましょう。っていやいやいや、指名された球団的に致命的だろ、それ!? 訂正:大舞台・一発勝負でのナイスピッチングは期待しないでおきましょう。トーナメントみたいな試合形式が苦手なだけなんですよね?きっと。山崎福也(明治大→オリックスドラフト1位) 180cm後半台&80kg後半台の堂々たる体躯から角度のある速球と多彩な変化球を投げられる大型大卒左腕。今ドラフトでは最高の左腕投手といってもいい存在である山崎福也。左投手というのはいつでも希少でどの球団も欲しがるポジションなだけに、実力以上にドラフト人気が高騰することがままあり、そんな状況下、彼を単独1位指名出来たのは見事なドラフト手腕といってもいいかもしれません。彼の問題はというと、野球のムックとして有名な「野球太郎」で掲載された山崎の恩師、善波・明治大監督へのインタビューの言葉が全てを表しています。↓(前略)一方の善波監督は「プロへ送り出すのにはまだ不安があるんですよねぇ」。出典:野球太郎No.012 2014ドラフト直前大特集号 廣済堂出版 ドラフト上位指名になるほど評価が高い大卒投手となると一般的に即戦力新人とみなされ、実際に日本の大学野球界のスター選手となると完成度も既にプロ一軍レベルな選手が多く、その見方は大方正しいです。ですが、大学4年になってもまだまだ粗が目立つ未完の大器→しかしドラフト評価は高い→そのためファンやマスコミからは間違った方向で期待されてしまうもプロで戦力になるのには時間がかかる(もしくは力を発揮することなく引退)…という選手は毎年一定層存在しており、このネガティブシリーズに登場する定番タイプでもあります。今年は山崎がそれにあてはまるのではないかと。山崎のドラフト評価は現在の実力というより、希少な左腕ということや将来の伸びしろが加味されたところが大きいと思われます。彼の角度のついた速球は同時によく不用意に浮きあがる速球でもあり、大学生相手ならそんな球でも空振りを取ることはできるがプロ相手ではどうだろうか?彼のスライダーは余計に大きな変化をしてしまうこともしょっちゅうで、大学生相手ならそんな球でも引っ掛けさせることはできるがプロ相手ではどうだろうか?彼の制球が不安定な面があるうえにストライクが入らないとマウンドであきらかな苛立ちを見せることもあり、大学生相手ならそれでも付け込まれることは少ないけれどもプロ相手では??初物に非常に弱い選手がプロには結構いるので、山崎も一軍でいきなり1勝か2勝ぐらいなら上げる可能性はありますが、彼の真価はプロに徹底的に鍛えられもう一段上のステージに登ってから、そこまでの時間をかけてから発揮されるのではないでしょうか。来季から即先発ローテ入りして二桁勝利!という期待はしないでおきましょう。数年後ならしてもいいとは思いますが。毎回、このブログのネガティブシンキングをはねのけて活躍を見せる選手達がいます。ヤクルトの小川や楽天の則本など、大学生相手には無双のピッチングでしたがプロ相手ではそうはいかんよ?と思っていたら、大学時代とそれほど変わらないピッチングでプロ相手にも…ええとNPBってちょろい?…おぉっと!何でも無いナンデモナイデスヨ…とまぁそんなわけで、今回の記事もあまり深刻に本気で受け取らないでくださいね。それに、例えば風張には一発勝負に弱いとかネガティブシンキングしましたが、百歩譲って真実この通りだったとしてもプロではそれは意外に大した問題にならない(プレーオフ以外ね)可能性があります。なぜならば、野球部入部直後の最初のキャッチボールで不合格→卒業まで補欠ですらない立場で終わるような高校野球名門校のシビアさに比べると、まだプロ野球の方がよっぽどチャンスを何度も与えられる世界ですから一発勝負のプレッシャーからは解放されると思います。事実アマ時代よりプロの方が性にあっているという選手だって多数存在しているわけですし、ここにあげた選手達が学生時代以上にプロで真価を発揮できる確率は意外と高いかもしれません。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 15

Latest Images

Trending Articles





Latest Images